「正体」あらすじ
著者:染井 為人
Audible評価:2,386件 ☆4.7/5
Amazon評価:1,109件 ☆4.5/5
少年死刑囚・鏑木慶一が脱獄した。
家族惨殺の犯人として死刑判決を受けた鏑木が脱獄したことに、人々は話題を口にしながらも他人事のように感じていた。
まさか自分の身近に本人が潜んでいるとは知らずに。
鏑木は、東京オリンピック施設の工事現場やスキー場の旅館、新興宗教の説教会、グループホームなど、多岐にわたる場所での彼の潜伏生活を続け、いつもギリギリのところで警察の捜査の手を逃れていた。
彼が潜伏先で関わった人たちは、凶悪犯のイメージと異なる鏑木の印象に驚く。
怪我をして働けない日雇い労働者のために雇い主に直談判したり
スキー場で真面目に働いていたり
信仰宗教の闇を暴いて信者を助けたり
グルーホームでは同僚や入居者に誠実に対応していた。
凶悪犯の鏑木と、好青年の鏑木、どちらが彼の「正体」なのか…
物語が進むにつれて、事件の裏に潜む「真実」が徐々に明らかになっていく。
「正体」はオーディブルで聴くことができます。
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私は家事の最中、散歩中に読了しました!
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感想
一家三人を惨殺した凶悪犯の鏑木死刑囚。
物語の始まりではそんな存在としてスリルのあるストーリーが展開されます。
しかし、物語が進むにつれて、困っている人を放っておけない正義感や他者にかける優しい言葉や思いやりが見えてきて、「凶悪犯」というレッテルとは異なる彼の人間性が際立ってきます。
自分が死刑判決を受ける原因となった証言をした(正しくはさせられた)人物に対しても理解を示し言葉による説得を続ける強さや、1年以上も一人の女性を想い続ける純粋さがとても印象的でした。
最後の感動的なラストは満足でした!
11月29日には横浜流星さん主演で映画化されますね。
上映前にどんな内容か気になった方はぜひ読んでみてください!