「パンとペンの事件簿」あらすじ
著者:柳 広司
Audible評価:329件 ☆4.5/5
劣悪な労働環境の工場で働く「僕」は、同僚たちと労働環境改善の嘆願をするために工場主に意見をした。
しかし、見事に同僚たちにてのひらを返され、工場主の怒りを買い、手下の荒くれものたちにぼこぼこにされる。
裏路地に打ち捨てられた「僕」を助けてくれたのは、堺利彦ら社会主義の人たちだった。
「僕」は堺利彦が設立した売文社で世話になることになり、大杉栄や荒畑寒村などクセモノ揃いの連中と行動を共にする。
ある日堺を筆頭に売文社一味は街中で騒ぎを衆目を集めると、成金資本家と政治家の癒着の証拠が書かれた怪文書をばらまき事件を大っぴらにした。
その後も売文社には奇妙な依頼や謎が舞い込み「僕」はその解決に巻き込まれる。
売文社に舞い込んだ暗号を解くように堺に指示されたり。
外国へ出稼ぎに行った女性が騙され、売春宿で働かされる事件の解決を手伝わされたり。
彼らと行動を共にするうちに「僕」は、世間から「極悪非道の徒」と目される社会主義者たちが、ユーモアを忘れず、信念に基づきペンを持って戦っていることを知る。
「パンとペンの事件簿」はオーディブルで聴くことができます。
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私は家事の最中、散歩中に読了しました!
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感想
「社会主義」に焦点を当てた作品ですが、軽快でリズミカルな文章で書かれており、ユーモアと温かさに満ちています。
堺利彦や大杉栄といった実在の人物たちは、人間味溢れる姿で描写されており、さらに岡部さんの巧みなナレーションが相まって、登場人物たちの活き活きとした様子が想像できました。
作品に出てくる人物たちがクセが強くて魅力的です。
お話を聞くと自然と情景が浮かんできて、最後までわくわくしながら聴いていました。
特に第一話の資本家と政治家の癒着を暴くために騒動を起こすシーンが面白かったです!
気になった方はぜひ読んでみてください!