「リンダを殺した犯人は」あらすじ
著者: 伊兼 源太郎
Audible評価:198件 ☆4.2/5
匿名の電話により一人の遺体が発見された。
女性はベトナム人で通称「リンダ」
技能実習生として来日したが、実習先を逃げ出した不法滞在者だった。
警視庁捜査一課殺人犯捜査第二係に所属する女性刑事・志々目(ししめ)春香と後輩の男性刑事・藤堂遥はコンビを組んでおり、手柄を上げるため犯人逮捕に意気込んでいる。
二人はリンダが最初に働いていた四国の工場へと赴く。
そこで経営者に話を聞くと、リンダはとても真面目で働きぶりもよかったが、低賃金であることを理由に脱走したのだろうと言うことだった。
脱走したリンダは、「Q」という不法滞在者に仕事を斡旋する人物からパブを紹介され働いていた。
さらに捜査が進み、同じ工場から他にも二人、女性が脱走しており、かつて同じパブで働いていたことがわかった。
その二人も消息不明となっていることも。
志々目と藤堂は外国人技能実習制度の闇を知り、彼女たちが弱みに付け込まれ食い物にされていた事実に直面する。
Qとはいったい何者なのか、リンダを殺した犯人は一体だれなのか。
「リンダを殺した犯人は」はオーディブルで聴くことができます。
運動中、家事の最中、移動中に手を使わずに読書ができます。
私は家事の最中、散歩中に読了しました!
読書の時間を作らなくていいのでオーディブルはおすすめです!
12万冊以上が聴き放題で、初めての方は30日間無料で利用することができますよ。
感想
志々目春香と彼女に「こはる」と呼ばれる藤堂遥の掛け合いが面白い!
「ストロベリーナイト」の姫川班はチーム一丸となって事件に臨む感じでしたが、こちらは同じ班でもペアごとに手柄を競っており、刑事ものでも雰囲気の違いとその駆け引きが楽しめます。
題材は外国人技能実習制度で作中で表現されていたように、外枠だけみるとありきたりに感じます。
でもリンダを通してみると、一人の人間が同じように生きていて、だれしもに人生があると実感します。
本来、法を順守する立場の春香が不法滞在者に寄り添う姿は、なんとも人間味のあるキャラにしていました。
春香やこはる、ほかにも温かさのあるキャラたちのおかげで最後まで面白く読める作品でした。
気になった方はぜひ読んでみてください!